ひきこもり歴20年(断続)さとう学さん「銀の匙を持て」
こんにちは。くろねこです。
何かと忙しく、少し間が開いてしまいました。
今回は、さとう学さんついてお話。
さとう学さんについて
みなさんは、「さとう学」という人を知っていますか?
先日、といってもかなり前ですが、Eテレのひきこもり番組を見ていたら、このさとうさんが出ていて、経歴が興味深かったので記憶に残り記事にしようと思いました。
知っている人もいると思いますが、ひきこもり界隈(ひきこもりの人たちの世界、または世界観。さとうさんの呼び方)ではある程度有名な人です。ひきポス(ひきこもりの当事者が主観的にネット記事を投稿しているサイト)の投稿者としても知られています。このさとうさん、異色の経歴の持ち主で、とても興味深く、参考になることが多いと思います。
ざっくりと説明しますが、詳しく知りたい人は、さとうさんのTwitter、またはひきポスを読んでいただけたら、と思います。
リンク、貼っておきます。
この記事を書く上で参考にさせていただいたひきポスのページ…https://www.hikipos.info/entry/2018/08/23/202900
ひきポス…ひきこもりの方目線の記事が多数。孤独感が多少和らぐ印象。
ひきこもり歴20年(断続)のさとう学さんの経歴
小学~中学
小学校、中学校時代はともにいじめられ体質な子供。中学時代は不登校と登校を繰り返す。特別支援教室で授業を受けるも、成績は悪くないが、勉強ができると通常学級に戻されるので、また不登校になる、の繰り返し。
高校時代
当時(20年ほど前)は、不登校児を入学させる高校がほとんどなく、高校は定時制へ。しかしヤンキーばかりで肌が合わず高一の夏に退学。
浪人時代(ひきこもり時代1)
高校中退も、大学進学の意思はあり、その後は予備校へ。予備校代は自分で稼いでいたそう。しかし、ある日電車に乗っていて心臓が痛くなり、病院へ行くと「パニック障害」の診断。あえなく予備校を断念→ひきこもる。
大学時代
それでも何とかあこがれの大学に進学。22歳。しkし喜びもつかの間、電車も授業もパニック障害がキツく、あえなく1年で中退。
ひきこもり時代2
家族間でも孤立する中、兄がくれたパソコンでネットに接続。これが後々まで大きなきっかけとなる。これまでと違う世界が一気に広がり、限界を感じていた人生に新たな可能性を感じる。生きる力を得る。
まず、全く医療機関を頼ろうとしない、保健師でもある母親を故意に殴って、支援機関とつながる。ここでようやく医師の治療と診察を受けることができるようになり、元気になる。
結局ここがターニンぐポイントになり、人生が大きく開いていく。担当の保健師に「自助グループを作ってほしい」などをいろいろと要望。
「積極的にどんなことをしてほしいか発言した。ほとんどが実現した。まさにオーダーメイドの支援で理想的だった。世の中、あらゆるヒトやモノやコトが奇跡的に組み合わさることってあるんだよ。」(さとうさん談:ひきポスより抜粋)
ひきこもり時代3と障害者手帳取得
就労支援のような制度を使い仕事に就くも、すぐに症状が悪化して退社→ひきこもる。
医師に相談したところ、障がい者手帳の取得をすすめられ、取得。このとき母はすでにガンでなくなっていたが、驚くべきことに、母は一度も障害者手帳のことを息子に言っていなかった。(死ぬまで体裁を気にしていた様子)
就労時代
障害者枠で奇跡的に見つかった郵便局で5年働く。しかし、商品の自腹買取や強制ボランティアで症状が悪化しそのまま退社。パワハラなどもあった。
ひきこもり時代4
社会に絶望し、死のう思ったが、郵便局を訴えるため体調を回復させることに。そのために支援センターに通うようになり、そこでひきこもり新聞の活動に参加。自身の体験を記事に書くようになる。
市議会選に立候補
2017年になんと選挙に立候補。ひきこもり支援の遅れ、障碍者へのパワハラ根絶を訴えた。落選はしたが一定のやりがいと自信はついた様子。
その後はひきポスなどに記事を書いて投稿。記事を書いているか、ひきこもるかしている毎日だそう。
さとうさんから一言「銀の匙(さじ)を持て」
「一本のスプーンで刑務所を脱獄する囚人のように常に機会をうかがっていた。自分が罪だと信じていたからね。君も万が一のために胸にスプーンを忍ばせておいたほうがいい。そう、できるなら銀の匙をね。決して手放してはいけないよ。いつチャンスが訪れるかわからないのだから。」(さとうさん談:ひきポスから抜粋)
さらに、さとうさんはこんなことも言っています。
「公共の支援機関へはどんどん要望したほうがいい。役所の職員というのは、要望を無視できない仕組みになっているので、ダメもとでもどんどん要望を出したほうがいい。叶わないことも多いが、出さなければ可能性はゼロだ。」と。
さとうさんから何を学べるか
いかがでしたか?
私はこれを読んで、私自身まだまだひきこもりに対する理解が足りないなと感じました。それに、「さとうさんのような例はめずらしいことではないのだな」とも思いました。
私は、個人的にさとうさんの生い立ちから以下のことを学べたように思います。
最後まであきらめないこと
壮絶な家庭環境(両親・姉の偏見)や世間の不遇に会いながらも、いつも現状を打開しようと、もがいてもがいて、あきらめていないことに驚かされます。おそらく、ご自身はいつも一杯一杯なんだと思いますが、その姿が同じ境遇の人たちにとって強いメッセージになっていると感じました。ひきこもりやうつの人にとって、「あきらめない」というのは一番最後まで心に持っていなきゃならない信念だと思います。あきらめるのは簡単です。でも一番自分を悲しませる行為です。
さとうさんはいつも「自分をあきらめていない」のだと思います。
待つより動くこと
さとうさんは人生の途中まで、保健師の母が何かしてくれるかもしれない、ソーシャルワーカーの姉が何かしてくれるかもしれない、と心のどこかで思い続けてきて、結局何もしてくれないことに気づきました。そこから一転、体が不調だろうが世間の目が怖かろうが「自分でやる」という考えにシフトしました。
さとうさんは、記事の中でこんな風に言ってます。
「どこからかマザーテレサのような人が来て自分を優しく救ってくれるんじゃないかという幻想は抱かないほうがいい。現実は厳しい。悲しいけどね。」
実際、甘い幻想を抱いて待っているよりも、現実を見て自分で進んだほうが、気分的にはラクなものです。
いつでも出られるようにしておくこと
必ずチャンスが来るとは限らないが、もしチャンスが来た時に、いつでも出られる準備をしておくことが大切、とさとうさんは言います。いつも部屋にひきこもっていても、本当は虎視眈々とチャンスをうかがっているということです。自分のできる事は何かを考え、部屋の中で実行しておくということです。そうして爪を研いでおけば、いざチャンスが回ってきたときに後悔せずに済むかもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございました。みなさんの参考になれば幸いです。
(この記事は、ひきポスのhttps://www.hikipos.info/entry/2018/08/23/202900を参考に書かせていただきました。)
くろねこ
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